遠藤彰子——力強き生命の詩
府中市美術館。雨の中、府中まで行ってきただけのことはあった、というか、今年見た展覧会の中でも1、2を争う素晴らしい展覧会じゃないだろうか。
とにかくどれも大きな絵。ピラネージを思わせる建築の迷宮、ブリューゲルを思わせる緻密で多種多様で限りない数の人の群れ。饒舌な物語性。大迫力。いくら見ていても飽きない。でも、美術手帖がこういう作家をばーんと特集することはないんだよね……ん〜、まっいいか。
現物を見なければわからないこの至福感。この作家は、賞をとったときの安井賞展(86年)をたまたま見ていて、そのときにおおおおぉっとくるものがあったので、こうして再会(?)できたのは感慨があるというか、なんというか、幸せ。
なお、カタログは1500円でとても良心的なのだが、しかもそれには「Akism」という遠藤自身による冊子が付録としてついてくる!!制作の過程をかいま見れたり(絵ができあがっていくところやアトリエの様子など)、イラストエッセイ風なのが載っていたりと、はっきりいって、カタログ本体より面白い。しかも、「付録の冊子」とはいえ、50ページオールカラーの堂々たるもの。展覧会カタログも、こういうのにすると楽しいよね……。なので超お買い得なのでした。
蛇足だけど、遠藤の作品の中でも横幅6メートル50っていう特大のがあって、しかも「個人蔵」なんだよね。そんなんどういう豪邸なら持ってられんだろうって、ちと思った。……そんだけ。
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