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2004.09.09

ギュンター・ユッカー「虐待されし人間」

栃木県立美術館。「釘男」の異名を持つユッカーの個展。でかい釘を木に打ちつけまくった作品など、自虐的贖罪的ともとれる作品が並ぶが、マトリックス状に木の棒を打ったものなどは、それが整然としているだけに余計に狂気が——爆発することさえ許されない狂気が感じられる。そうしたオブジェに塗られた「白」は、罪や汚れを浄化する「白」だとも言われているが、その塗り方は非常に雑で、オブジェの肌がはっきりと見えていて、ちょっとした浄化では拭い去れない罪(?)の深さを逆にクローズアップしているようにも見えた。
なお、同時におこなわれていた日本の作家によるビデオアート上映「ピクチャー・イン・モーション」は、結構最近の作品が並んでいるのだが、感覚の古さ、スピード感のなさ、同時代感覚の欠如が目に付くものが多く、残念。今年始め、東アジアの現代美術を取り上げた「アウト・ザ・ウィンドウ」展(国際交流基金フォーラム)で同様なビデオ上映があったが、こちらは結構面白く楽しいものがあっただけに、よけいにね……。むむーん。

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