ヴォルフガング・ティルマンス展
東京オペラシティアートギャラリー。作品ひとつひとつとじっくり対峙するというよりは、会場の雰囲気を楽しむ展覧会、という感じ。何が写っているわけでもなく、(会場にも)何があるっていうわけでもないのに、なぜか惹かれるのはどうしてだろう。小さな、ちっぽけな存在への愛みたいなものがほんのり漂っていて、どことなく幸せな気分にさせてくれる。プリントは直接壁にテープで貼られ、これがまたそのうち剥がれ落ちてしまいそうで、作品が写し出すはかないものへのこだわりが、その貼り方にもあらわれているのが面白い(そういう展示方法はティルマンスが昔からやっているやり方らしい)。
同時にやっている空想建築絵画の野又穫の個展も展示方法がユニーク。ネタは明かさないのでぜひ観て下さい。
さらに同時開催の若手作家・小西真奈のも、不思議な非現実的な空気感に惹かれた。なんてことない平和な光景のはずなのに、非常に不安な思いにさせられる。観てはいけないものを観てしまったかのような……。
そういうわけで、超おトクすぎるよ、いまの東京オペラシティアートギャラリーは。
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