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2005.03.25

町田久美<a Sadeーサドに>@西村画廊

同じく4/2までの銀座での個展をもうひとつ。
西村画廊での町田久美展。
「No.21 少女傍若無人」でも、「ホラードラコニア・澁澤龍彦少女小説集成」の挿絵画家のひとりとして紹介した町田久美。
太い墨の線で、ワンポイントのように赤や白が入っていたり、ちょっとだけグレイに塗られた部分がある程度という、独特のモノトーンの作風。
だが実際には、雲肌麻紙という、うす茶色の和紙の上に描かれており、地は白ではない。
その上に白い絵の具を塗ることによって、白という色が非常に色めき立つ。
白というのは多くの場合「地」とイコールで、何もない空間を意味するものだが、ここではちがうのだ。
そのコントラストの味わいは、実際に絵を見ないとなかなかわからないだろう。
(和紙の微妙なうす茶色が、写真だとなかなか再現されないからだ)
その和紙の上に、妖しくシニカル&ブラックな大正風(?)世界が飄々と展開する。
そういえばこの人の描く人物も、人形みたいだし、実際に人形として描かれたものもある。

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» 町田久美の線 [artshore 芸術海岸]
 日本画はやはり引き算の芸術なのかな、とその線を見ていてふと思いました。  町田久美(Machida Kmi,1970-)の描くポップな日本画にも、充分にその特徴があらわれていて、それはアニメーションの単純化された線にもどこかで通じています。日本発のビジュアル文化として、アニメが世界に受け入れられているのも、この単純化と無関係ではないでしょう。  ただし、町田の線は機械的・合理的な単純化ではなく、細筆によって丹念に綿密に調えられるという現代的な技巧のうえに成り立ったものです。先人たちがひと筆... [続きを読む]

受信: 2005.05.25 00:49

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