創造のさなかに@練馬区美術館
「ただ今、製作中!」とサブタイトルにあるとおり、ただ完成作品を展示するのではなく、制作過程にもスポットを当てた展覧会。
絵画・彫刻・インスタレーションなど、手法も年齢も異なる6人の作家が、スケッチや制作過程の写真などと合わせて紹介されている。
入口を入ってすぐに目に飛び込んでくる、柱と壁を覆った赤い水玉は、吉田亜世美がボランティアとともに公開制作した作品。
建畠覚造の波打った曲線が印象的な彫刻は、波形に切り抜いた合板を張り合わせたものだと知ってビックリ。
今日は青木野枝のギャラリートークもあったが、鉄という素材を使って空気や水のような不定型なものを表現しようとする青木の作品は、素材が鉄という人工物なのに、いつもなぜか心に安らぎを感じさせる。今回のインスタレーションも例に漏れない。裁断した後もなまなましい鉄の切り口に、ぬくもりを覚える。
例によって岡崎乾二郎の絵は、理屈(=物語のような長いタイトル)と感性(=抽象的な絵)とのみごとな融合/コントラスト。
井上尚子のスチルの本棚で作った茶室のような空間(香りがいい)、荻太郎の力強い絵画も印象的だった。
練馬区美術館は、しばしばこういう意欲的な展覧会を見せてくれる。
パネルに、観客の書いたアンケート(感想)が貼り付けてあるのも面白かった。
会期も終わり間近で、吉田亜世美の制作現場などが見れなくて残念とか思っていたが、こうした感想を読めるのは、会期終わりならではって感じで、これは得した気分。
3/31まで。
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