超芸術—前衛美術家たちの足跡1963-1969/平田 実
ハイレッド・センター(赤瀬川原平、中西夏之、高松次郎)や篠原有司男、小野洋子など、60年代の前衛者たちのハプニングを記録した写真集。
最初は文章主体の本かと思った。
だけど文字で抽象的なイメージを伝えられるよりも、写真は多くを物語る。
一目瞭然。
特に当時を伝説でしか知らない私にとっては、ありがたい。
写真に撮ることで、まず間違いなくその場の熱気・温度・皮膚感覚は剥がれ落ちてしまうのだが(ゆえに写真は現実とは別個の表現になりうるのだが)、ここに掲載された写真の数々も、当時の時代の温度を剥がされてしまった状態で見ると、滑稽というか、まぁよくもこんなおばかなことをやりましたね、という感じは否めない。
そこが逆に面白いのは確かだが。
でも、そんな醒めた写真の傍らに添えられたキャプションがところどころ面白い、というか「体温」が感じられて、写真の冷たさを溶かしている。
いいバランス。
あと、本の最後に現在の赤瀬川、篠原、小野などの写真も掲載されていて、強者どもも夢の後、といった感慨があったり……。
ん〜〜でもそれは、彼らも年老いた、ということではなく、時代が変容したということだろう。たぶん。
そうした熱狂は中国にある、とデモのニュース見ながら思ってしまうのだけれど。
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