白い果実
山尾悠子が訳文を整えたというジェフリー・フォードの長編幻想小説。
錬金術的な世界律が支配するアナザーワールド。そこでは観相学という、人の外見で性格などを見分ける学問が確立され、事件の犯人を割り出すのにもその観相学が用いられる。
そのスペシャリストである観相官が、ある事件を解決する話だが、筋はどんどん逸れ、学問という理知的な領域がマジカルな力に浸食されていく。
条理があるとは思えない観相学で人を裁いていく様子は、男根的な横暴さを感じさせ、その学問の忘却はまさに去勢を彷彿とさせるが、それはひとつの見方に過ぎないだろう。
迷宮の底に滑り落ちていくような目眩を伴う佳品である。
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