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2005.07.18

上村なおか in ゲント美術館名品展@世田谷美術館

今年は日本におけるドイツ年である。
関連のイベントとかがいろいろおこなわれているが
しかしそれと同じくらいベルギーが目に付いてしまうのは、ただの偶然なのだろうか。
アンソール展があって、ベルギー象徴派展があって、そしてこのゲント美術館名品展である。
しかもそのうえ、秋には府中市美術館で「ベルギー近代絵画 :サイモン・コレクション展」があるときた。
なんらかの陰謀を感じずにはおられまい(といっても、だからどうだ、という感じではあるが)

さて、このゲント美術館名品展だが、19世紀から20世紀前半までを駆け足で追った、どちらかというと浅く広く、といった展示。
ヨーロッパの一地方として流行を後追いしながら、やはりオリジナルなものを残したのは象徴派であり、そのインパクトは大きいなぁと実感したのでした。
ミンヌの少年の絵とか彫刻は、「少年×タナトス」で取り上げてもよかったと、ちょっと後悔。

さて、17日は、その展示会場で上村なおかが踊った。
今回の企画展に関連しておこなわれているワークショップの一環。
時代ごとに区切られた展示スペースにおいて、ワークショップの参加者たちが、服をこすったり紙をめくったりといった音を発し、そうした音と絵画のなかで上村なおかが踊るというもの。
正直、展示してある絵のイメージを反映した音や踊りが実現できたかどうかは、よくわからない。
集まった人間のほとんどがワークショップ参加者であり、音を出す準備のためにぞろぞろと展示スペースを移動する様は、ちょっと興を削がれる部分もあったのは否めない。
あと、踊り手の回りに人が鈴なりになってしまうと、絵が人影で隠されてしまって、踊りと絵の共鳴どころではなくなってしまうしね。
しかし、絵との対話を意識しすぎると凡庸なダンスに陥りがちなのも事実。
絵との程良い距離感で、凡庸な手振り身振りに陥らないダンスを見せてくれたのは、さすがというべきか。

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