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2006.02.26

TH No.26追い込み中

……のため、なかなか更新できません。
すみません。
次号は3月末発売予定、特集は「アヴァンギャルド1920」です。
ええ、もう、まっとうに20世紀初頭のアヴァンギャルド——表現主義、未来派、ダダ、ロシア・アヴァンギャルド、バレエ・リュス等々を取り上げます。
ミョーでお茶目でばかばかな熱気に着目してかなり遊んでます!!
もちろんタメになる&よくわかる記事もあります!!

特集以外のレビュー記事も充実!!!!!

詳細はまた後日。

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2006.02.10

富崎NORI@ヴァニラ、台湾写真@ガーディアンガーデン

富崎NORIヴァニラ画廊

本当にリアルな球体関節人形のCG作品。
ん〜〜〜なんでわざわざ女の子じゃなくて人形の少女の絵を描くの?
そういうリアルなもの描くんだったら、人形作って写真に撮ればいいじゃん……
……なんて、思うでしょ?
少女人形はそもそも生身の少女の代替物であるし、
生身の少女に動きの面でより似せるために、球体関節というものが考え出された。
だから人形にはホンモノの少女に近づきたいという願望が込められているはずで、
わざわざ絵に描くんだったら、最終目標である生身の少女をモデルに描くのが
手っ取り早いし全然問題ないはずである、
というか、ふつうそうするでしょ。

でも、違うのだ。そうじゃないのだ。
おそらくそれは、彼のHPや雑誌に掲載された画像ではまだちょっと伝わってこないだろう。
ここに飾られた高精細な出力を見るといい。
この関節!この微妙にめくれあがって透き間の空いた球体関節のなんてエロティックなことか!
実際の人形を写真にしても、これだけのエロティシズムはかもし出されないだろう。

それゆえに、これが絵によって、リアルなCGによって描かれるべき必然が導き出されるのだ。
ぜひ画廊に明日を運び、球体関節の、その微妙な隙間の影の向こうの深淵を想像して
舌なめずりして欲しい。

2/18(土)まで。

■台湾若手女性写真家3人展@ガーディアンガーデン

どうでもいいけどこの3人、暗い、重い、病んでいる。
それは煌びやかなところもあるかもしれないが、でも明らかにそこは袋小路に中にある。
台湾はいま、こんな不安めいた社会状況にあるのだろうか。
鬱病の治療のために写真を撮ったというひとりの作家は、
「心が蝕まれていく様を忠実に写したいと思っている」。
……それって治療になるん?というツッコミはともかく、
さりげない日常の風景なのに、ああなんで頭のてっぺんか写ってないのかとか、なんで人形の写真だけピンボケなのか……とかとかちょっと背筋を寒くさせる。
結構インパクトある。

これはガーディアンガーデンがやっているアジアンフォトグラフィー・シリーズの第5弾にあたるが
前の中国の時もズンときた。
どちらも写真というものがいまだ表現媒体としての活力を失っていないことを証明していた。
このくらいの小さなスペースだというところが、また密度濃く感じられていいのかもね。

2/9まで。ということは今日(もう昨日か)まででした。おお今気がついた。

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2006.02.06

朝から夜中まで@フィルムセンター

京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターでは、「ドイツ・オーストリア映画名作選」を上映中(3/26まで)。
1/31〜2/5は、無声映画を伴奏付で上映した。
「巨人ゴーレム」と「朝から夜中まで」を見たが、
「巨人ゴーレム」は、まぁ、まだ普通といった感じ(ゴーレムがかわいいんだな、これが。買い物かご腕からぶら下げて買い物にいっちゃうのだ)。
表現主義映画の傑作「朝から夜中まで」は、さすが評判にたがわず、建物からトビラから窓から階段から何から何までひしゃげて曲がっていた。
ちょっと風邪ひいて熱っぽかったのだが、もしかしたらスクリーン以上に歪んで頭の中に投影されていたかも……。
あれだけ歪んでいても、トビラはちゃんと開閉するしなぁ。リッパです。
ストーリーはたいしたことない。
女に目が眩んで大金を横領した銀行の出納係が主人公なのだが、単純なコメディ以外のなにものでもなく、
その点、同じ表現主義映画「カリガリ博士」のような読みの深さは要求されない。
でもこのセットはすごい。セットだけで笑えるのも珍しい。
テンポもいいしね。
こういうの好きだなぁ。

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東京—ベルリン/ベルリン—東京展@森美術館

東京とベルリンの文化・芸術の交流の軌跡を辿った展覧会。
19世紀末から戦前までの作品で4分の3近くを占め
次号のTHのために開いてくれたようなものである。
こっちの壁はベルリン、こっちの壁は東京、といった方法で比較するのではなく
両者をゴッチャに、しかもなんとなく絵の雰囲気やモチーフが似通っているものが隣同士に並べられているという、そんな構成で、いやほんと、絵のキャプションを見ないとどっちの都市のものなのかわからないものも多い。
都市や時代の空気が実感できていいんじゃないかな。
よく見る作品も多くのだが、うん、でも結構な充実度です。
最後のコーナーは現代のベルリンのアーティストを紹介していたが、
アーティスト本人がパノラマの大きな写真の中に大増殖しているリープシャーや、
マイケル・ジャクソンの歌マネをするファンの映像をズラリと並べたブレイツのビデオ作品など
笑かしてくれるものもいくつか。
特に後者は、曲が流れている間、マイケルになりきって歌を歌っていたファンが、
曲と曲の間の一瞬の空白で見せる手持ち無沙汰で居心地の悪い表情が、爆笑ものである。

並行して森アーツセンターギャラリーでおこなわれている「ドイツ・デザイン展」は
うーん、こういうの、難しいよね。
いいデザインはいまも残っていて目新しくないし、
残っていないのはやはり、それなりの問題点があったということ。
だからあまり驚きがない。
このデザインいいでしょ?、じゃなくて、過去はこんな物知らずでおバカなことを真剣にやってました、
というデザイン展なら、違うのだろうけど。

「東京—ベルリン/ベルリン—東京展」は森美術館にて5/7まで。
「ドイツ・デザイン展」は森アーツセンターギャラリーにて3/12まで。

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2006.02.02

中嶋莞爾監督がサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞

「廃墟憂愁」にてロングインタビューを掲載した
中嶋莞爾監督の次作『クローン人間は故郷をめざす』の脚本が
サンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞しました!!
この賞はロバート・レッドフォードが主宰するサンダンス・インスティテュートと
NHKが共同で実施しているもので、
脚本を評価し、次代を担う新しい才能に制作の支援をおこなうもの。
審査委員長であるヴィム・ヴェンダースの強力なプッシュがあって
中嶋莞爾監督がみごと射止めました。

これまで圧倒的な映像美で作品を作ってきた中嶋監督が
脚本で評価を受けたのは特筆もの。
次作がどのような作品になるか、非常に楽しみなところです。

参考:[オリコンニュース]

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