東京—ベルリン/ベルリン—東京展@森美術館
東京とベルリンの文化・芸術の交流の軌跡を辿った展覧会。
19世紀末から戦前までの作品で4分の3近くを占め
次号のTHのために開いてくれたようなものである。
こっちの壁はベルリン、こっちの壁は東京、といった方法で比較するのではなく
両者をゴッチャに、しかもなんとなく絵の雰囲気やモチーフが似通っているものが隣同士に並べられているという、そんな構成で、いやほんと、絵のキャプションを見ないとどっちの都市のものなのかわからないものも多い。
都市や時代の空気が実感できていいんじゃないかな。
よく見る作品も多くのだが、うん、でも結構な充実度です。
最後のコーナーは現代のベルリンのアーティストを紹介していたが、
アーティスト本人がパノラマの大きな写真の中に大増殖しているリープシャーや、
マイケル・ジャクソンの歌マネをするファンの映像をズラリと並べたブレイツのビデオ作品など
笑かしてくれるものもいくつか。
特に後者は、曲が流れている間、マイケルになりきって歌を歌っていたファンが、
曲と曲の間の一瞬の空白で見せる手持ち無沙汰で居心地の悪い表情が、爆笑ものである。
並行して森アーツセンターギャラリーでおこなわれている「ドイツ・デザイン展」は
うーん、こういうの、難しいよね。
いいデザインはいまも残っていて目新しくないし、
残っていないのはやはり、それなりの問題点があったということ。
だからあまり驚きがない。
このデザインいいでしょ?、じゃなくて、過去はこんな物知らずでおバカなことを真剣にやってました、
というデザイン展なら、違うのだろうけど。
「東京—ベルリン/ベルリン—東京展」は森美術館にて5/7まで。
「ドイツ・デザイン展」は森アーツセンターギャラリーにて3/12まで。
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