“アートと話す”とか“チェ・ウラム”とか
さわやか革命さんの日記を読んで、やっぱり行かねばと思って、行ってきました東京オペラシティ・アートギャラリー。
実はちょっと久しぶりだったりしたのでした。
で、やっていたのは「アートと話す アートを話す」と題したクライスラー社のコレクション展だが、
まぁなんというか、大量生産品的・工業製品的な物が多いように感じたのは、コレクションの趣旨なんでしょうか。
手仕事の感覚を残していたのは、最後のシュレンマーのドローイングくらいではなかったろうか……。
で、階を上にあがってコレクション展の会場に入ると、
なんだか形はよくわからないかもしれないけど、手で描きました〜、魂が乗り移っているのが見えるでしょ〜、ってゆー感じの抽象絵画が並び、これがまた、それまで見てきたものとの対比もあるのかもしれないが、とてもいい感じ。
ここはいいコレクションを持っているよ。
教科書的ではない、ちょっと異端的でぐっとくるようなものにお目にかかれる。
でも一番目を引いたのは、最後の「project N24 小林 浩」だろう。
一見すると写真のように滑らかな濃淡で描かれているかのように見えるが
実は地図の等高線のように、微妙に濃さの違う数種類の色で塗られているだけだ。(しかも厚いんだ)
その等高線の奇妙な形が、宙を飛ぶぬいぐるみのような形をかもし出す。
絵の不思議さとともにその手法の面白さも惹かれた。
「project N」は若手発掘のプロジェクトだが
森美術館の同様のプロジェクト「MAMプロジェクト」では、
「東京−ベルリン/ベルリン−東京展」の会場のワンブロックを使って
韓国の若手作家チェ・ウラムの個展を開催している。
これがまた、いいんだ。
要は、金属やら電子部品やらで架空の生物を作ってしまおう、というやつなのだが、
これがまた、ガラクタの寄せ集めとは全然一線を画して、部品のひとつひとつをちゃんと作っているらしい!
しかも、それが、動いたり、光ったりする!
その動きも、「機械のように」ではなく、生物のように、さやさやっ、そよそよっ、ふわふわっと動くのだ!
これを称して「生きているようだ」というんだな。
さらに面白いのは、骨格などの甲殻的な感覚。アールデコを思わせるような曲線。
この機械に「肉」はない。甲殻だけだ。
そうなのだ、まるでエルンストの「雨後のヨーロッパ」の世界に入り込んでしまったかのようなのだ。
なんて頽廃的、だけど魅惑的な未来感覚。
表向き、これらの作品は、「発見された」ことになっていて、学術名とかも付いているのもおかしい。
東京オペラシティ・アートギャラリーの展示は3/26まででした。
森美術館のは5/7までやってます。
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