VOCA 2006@上野の森美術館
あー久しぶりにちゃんと睡眠とりました。(スッキリ)
さて、例年この季節にTHの編集が終わると、VOCA展。
若手作家の登竜門的な展覧会。フレッシュな作品に出会えるので楽しみにしている。
VOCA賞は、TH No.22「特集・異装」でヴォルフガング・ティルマンスのレビューを書いたときに
一緒に触れた小西真奈。
1年以上前のことになるが、そのときは「惨劇の前兆を目撃しているような気分」と書いた。
どこにもありそうな風景なんだけど、次の瞬間、その風景がまったくひっくり返ってしまうような不安感、
そんなものを覚えたからだが、今回の作品はだいぶフツーに幸せそうに見えてしまったのは、どうしてだろう。
モチーフは同じ感じだけど、なにか変わったかな……?
蜷川実花はいまさらここで賞をとってどうするのだという、そんな気がするんですけど……。
他に印象に残ったのは、永原トモヒロの色彩のない廃墟然とした街角の風景。曇天。人もいない。記憶の底に沈んでいるかのような、そんな歪さを持った光景。
橋爪彩は少女の足元を写真的リアルさで。だけどそのリアルさには、そこに届かない膜があるかのようにも感じる。
青木克世の磁気の作品は、こてこてのいかにもアンティーク的なフレームの作りに、真っ平ら、無表情なタイル。その上に楕円に描かれた蒼い絵は、まさにそこが異界への入口のように見える。
小橋陽介のは、ヘンリー・ダーガーのようなアウトサイダーアートを彷彿とさせるような、自画像。風景の中に数多の彼自身が描かれ、原風景というか、彼だけのユートピアというか。
3/30まで[詳細]
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