ホルスト・ヤンセン@埼玉県立近代美術館
考えてみれば、埼玉県立近代美術館は、常設展が有料になってから訪れたのは初めてかも。
むかしここから5〜6kmほどのところに住んでいたころは
自転車をえっこらこいで通ったものだが……ここ4〜5年、予算が削られすっかり元気がなくなってしまっていたので、まぁむべなるかなぁという気はするが……。
以前は果敢な展覧会がいくつもあった。「アダムとイブ」とかね。
……でも、久々に訪れてみて、美術館が地元民に定着しているなぁという気はしたなぁ。
で、ヤンセン、その描線の美しさと言ったら、藤田嗣治と比肩する。
なんといっても、細かい線が偏執狂的に増殖していく銅版画がよい。
描写が劇的というか、ドラマチックなので、フランスあたりのコミックを彷彿とさせるところもある。
で、展覧会のサブタイトルは「北斎へのまなざし」とあり、
影響を受けた北斎の作品との接点が検証されているが、
10日の日経新聞によれば
藤田も北斎に強く影響されていたことが手紙の発見によってわかったという。
なんたることよ!
ヤンセンの描線は、北斎を仲介して藤田と繋がっていたとは!
両展覧会を見比べてみるのも面白いだろう!
18禁コーナーもあって、エロエロなヤンセンの春画が展示されているところも見どころ。
思わず何度も往復しながら見入ってしまったが、う〜ん、スケベな奴と思われただろうか……。
新規買い入れがないとはいえ、寄託などにより、常設展も企画を打ち出した展示でがんばっている。
デルヴォーとまたご対面できたのがうれしいよ。
この作品がここに入ったときには、埼玉県に住んでいてよかった!と思ったものだった。
埼玉県立近代美術館では、夏にはマンダラ展、来年にはエコール・ド・パリ展やシュルレアリスム展が企画されている。
いいじゃん。
ホルスト・ヤンセン展は5/21まで。
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