エルミタージュ、森馨人形展
東京都美術館の大エルミタージュは、まぁ、すごい混みようでした。
だけど見るべきものがあったとすれば、
わたし的には、「廃墟憂愁」でも触れたユベール・ロベールなどの廃墟画だろうか。
「廃墟画コーナー」とは銘打たれてはいなかったのものの、それなりのスペースが割かれ、
なかでもギヨーム・ヴァン・デル・ヘキトの「ケニルワース城の廃墟」などは、
モノクロトーンで結構イマ風な迫力。
ベクシンスキーみたい。
品川での「森馨人形展—愛の蜜—」。
エロいとか残虐だとかいいながら、作家ご本人はいたって楽しそう(笑)。
特にエロスばかりが強調されているわけではないが、
だがそこからは少女に対する妄想がさまざまに萌芽し、
ここまで明確にエロスを意図している作家も珍しいのではなかろうか。
森の人形を岩切等が撮影した写真作品も展示されており
かなり広角なレンズや鏡などを巧みに使い、色合いも鮮烈で、斬新かつ美しいものに仕上がっていた。
作家自身が写真を撮り、山口椿が写真ごとに文を添えた作品集も展示に合わせて作られた。
山口の日本語の響きと、森のモノクロの写真の雰囲気がよく合っている。
その写真がベルメールを彷彿とさせたのは、ところどころ写真に着彩されているからだけではなかろう。
おそらく欲望の視線を根底に持っていることがベルメールを思わせるのではないか。
山口の文との組合せはその意味でもうってつけだと言える。
この森馨作品集「parfam de bois」に関しても[こちら]。
なおそのHPにあるとおり、森を始めとした山口椿の絵画教室の弟子たちの第一回作品展が、11/5〜11に銀座のギャラリープラットフォームスタジオ(奥野ビル515)で開かれます。
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