ビル・ヴィオラ@森
森美術館でやっているビル・ヴィオラは結構な迫力ですね。
ほとんどがスローモーションの映像なんで、
じっとじっとがまんして、最後にどわわわわ〜〜んと来るのを待たなきゃいけないとか
なにかと忍耐が必要になるんだけど、
やっぱりその忍耐あってこその感動ってやつなのかな……?
展望台にのぼるのが第一目的でよくわからずに会場に入った人たちなど
ただ通り過ぎるだけなら、何がなにやら、って感じではなかろうか。
横断歩道の待ち時間の表示のように
「洪水(?)まであと何秒」とか表示してると面白いのに(笑)。
水をうまく使った作品が多くて、「サレンダー/沈潜」とかも
最後におおっこういう仕掛けか、と驚いたのだが、そういう感動も最初から見ないとね、半減してしまう。
中沢新一がトークで、ヴィオラの作品は死者の側から見た映像だ、ということを言っていたが
それはなるほど鋭いと思った。
映像としてはリアルなのに、現実感が欠けている感じ、世界のウラ側から覗き見ている感じは
まさにそこから来る感覚であろう。
そして、「死者」が見る「現実」も、電源を切ればパッと消えてしまう。
現実が消え、虚無の世界に死者たるわれわれが残される……そんな瞬間をも予期させるが
それゆえヴィオラにとって現実は、「ゆめ」のようにはかないものなのかもしれない。
「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」は来年1/8まで。
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