大人ってなに?
「大人」とは……広●苑を引くと「舞台ウラで何があろうと、ふだんとまったく同じ態度でステージに立ってライブをこなすこと」とある。
さすが鋭いぞ、広●苑(笑)。
でもねぇ、それをバネにしてフンマン煮えたぎらせながらも客を盛り上げていく方が、エンターテイナーとしての魅力はあるよね。
表現者は、表現の面においては「大人」ではない方が魅力的だと思う。
……と、ブルーな部屋があわや血に紅く染まりかけた日に思いました(笑)。
大竹伸朗もまさにアンチ「大人」なアーティストである。
東京都現代美術館の「全景」展は、少年の頃の絵画から何から何までが美術館を覆い尽くした圧倒的な迫力。
少年時代で一部屋、大学時代で一部屋、しかも天井近くにまで絵がいくつも掲げられ、その他ロンドンや香港での滞在時期を含めアーティストとして世に出る前の作品が、これほどの量出品された回顧展も珍しいだろう。
だがそのことこそ、大竹が美術界の「大人」の決まり事から自由であることの証左なのだ。
彼の表現は、アーティストとして美術家に認められたことでどうこう変わるものではないのである。
少年(=「大人」以前)の時の作品も、最近の作品同様の価値を持つ。
(逆に言えば、最近の作品も「大人」以前のままなのだ)。
それにしても、絵にしても、集積され再構成されたゴミの数々にしても、そこから感じるエネルギーはものすごい。
圧倒的なテンションで襲いかかってくる。
「知ったこっちゃない。自分の一生なんだからやりたことをやる」
でも、それで人を惹きつけるのは凡人じゃできないよ。
ダリに並ぶくらいならこっちを観た方がよっぽどいいと思うね。
東京都現代美術館からちいと歩いた清澄の倉庫に集積したギャラリーたち。
結構な観光名所(?)になっているようで、若者多いなぁ。
前来たときはそんなでもなかったよーな。
その中の小山登美夫ギャラリーでの蜷川実花は特に目新しさがなく……。「大人」だね……。
SHUGOARTSでの森村泰昌「烈火の季節 / なにものかへのレクイエム・その壱」は、いいかも。
三島由紀夫に扮してクーデター未遂のシーンを演じたり。
こういうことしないと対象に接近できないのは、「大人でない」証拠です。
てゆーか、「大人」だったら、やる前になんとなく生半可な理解しちゃってあきらめちゃうでしょ。
三島のやつはDVD版もあって流れてる。笑いはもうひとつかな……。
HIROMI YOSHII GALLERYもわりといつも面白いんだよね。
いまは榎本耕一展。ポップでかわいい感じの絵があると思えば抽象的なぐちゃぐちゃあり。
ポップにまとまっちゃわないところが「大人」じゃないね。
というわけで、今回は「大人」をキーワードにまとめてみましたが……
冒頭の非「大人」はおなじみLLLでした。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント