佳嶋・輔老みづき・ミヤケ千夏3人展『想耽2』
スパン・アートギャラリーでは
佳嶋・輔老はずき・ミヤケ千夏の3人展『想耽2』。
佳嶋は相変わらず洗練されたフォルム。
新作は腕の代わりに羽根がついた人間だが、腰のくびれから腿へのラインがやはりいいねぇ。
その羽根がまた、ちょこっと控え目なので、余計にそのラインが際立つというか。
あと、くすんだ系の微妙な色使いやボケた輪郭はやはりオフセット印刷だとなかなか出ないから、
コンピュータで描いているとはいえ、出力を見るのはいい。
輔老はずきは、小さな作品。バストアップのカワイイ肖像がずらりと並ぶ。
驚いたのはミヤケ千夏。
いままではどちらかというと、昭和レトロで、夢や幻想を描いていたような印象だったのだが、
今回の作品は「lynch」のシリーズ。
デヴィッド・リンチへのオマージュかと思ったら、そのものずばり私刑の「リンチ」なんだと。
でも悲壮感がないというか、むしろリンチされてなんとなくウットリ、みたいなM的感覚も見え隠れする。
しかも暴力シーンそのものを描くのではなく、リンチの予告の手紙を受け取ったシーンなど、リンチをめぐるさまざまなシチュエーションを、あくまでもひとりの人物の顔メインで背景を抽象的に描いている。
そのあたり、日常的なものではないファンタジックな物語性を感じさせて、そのファンタジックさと「リンチ」という暴虐な素材がいい塩梅で不思議なおかしみさえかもし出しているのだ。
人物の顔に力強さがあるのが、さらにいい。
このシリーズはもっと描いていきたいとのことなので、楽しみ。
で、この3人展は今日まででした。
佳嶋http://www.ne.jp/asahi/kashima/echo/
ミヤケ千夏http://www1.odn.ne.jp/~cav74200/
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