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2007.04.19

椿会、パンズ・ラビリンス

銀座・資生堂ギャラリーでは椿会展。
伊庭靖子、祐成政徳、袴田京太朗、やなぎみわの4人が出品。
やなぎはMy Grandmothersのシリーズ。
5点のうち3つは今年の新作。
2004年のだけど、KAHORIのが面白いなぁ。
ベッドの上の家。女性の顔は家に隠れて見えない。
不思議な引きこもり空間。
あとは袴田京太朗のFamiliesもユニークで、
アクリル板を重ねたカラフルな人物像が、壁に顔をくっつけて背中を向けて壁一面に飾られている。
背中が語る物語。
http://www.shiseido.co.jp/gallery/current/html/index.htm
6/10まで。

アカデミー賞3部門を受賞した「パンズ・ラビリンス」の試写。
ダーク・ファンタジーと言うが、これはファンタジーのワクで括ってしまうような作品ではなかろう。
スペイン内戦から逃れて、少女がラビリンスを冒険する話かと思ったら、とんでもない。
「ファシズムは純潔の曲解だ」として少女の純潔とファシズムを二重写しした仕掛けは、ただごとではないなぁ。
このファンタジーは子供のためのものではない。
残虐的なシーンも頻出し、人間の暗黒面を照らし出すファンタジーなのであるよ。
しかもあの結末は……。
http://www.panslabyrinth.jp/
秋公開。
ハリウッドじゃぁこういうのは作れんわなぁ。

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2007.04.17

毛皮と毛皮と二枚舌とあかいはこ

久々の更新です……。

今日というか、昨日(16日)で終わってしまったが
毛皮族+演劇キックの「天国と地獄」。
演劇ぶっく社主催公演だが、江本純子が作・演出、出演に毛皮族メンバー+田口トモロヲなどゲスト
ということでほとんど毛皮族の公演。
最近ハチャメチャさがうすくなり、今回は原作的なものがあるということで
どうなんじゃろ、という感じだったが、
私が観た日は江本のいじりがやはり面白かったかな。
物語があるものをもっと江本自身でぶち壊していって、本当に収拾つかなくしてしまうのも毛皮族らしいかな、と思ったのだが、そこまでは徹底してくれない。う〜む。

毛皮だからというわけではないけど
「毛皮のエロス——ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」、
この映画はニコール・キッドマンだからといってめげずにアーバスファンには観て欲しい。
あとアーバス知らない人が観て面白いものかどうかも知りたいとこだけど。
ある意味、よくこんな映画が作れたもんだと思う。(詳しくはTH No.30
2007年5月、渋谷・シネマGAGA!にて公開。
http://kegawa.gyao.jp/

Asakura
銀座・ヴァニラ画廊では朝倉景龍展「二枚舌」。
妙な人体改造系のリアルな鉛筆画で、少女の頭からペニスが生えていたりもするが
グロくないんだな(私の感覚がマヒしているのかもしれないが)。
緻密に描かれた装飾が、どちらかというと甲殻っぽいからかもしれない。
雰囲気も、痛みよりも心酔するかもような静謐さが漂う。
それに対して皮膚は体温を感じさせ、その対比も面白いかも。
とにかく、等身大の女性像4点は必見でしょう。
実物見なきゃ。
線だけで描かれた新しい試みの絵も、面白い。
お茶目な仕掛けもあったりするので、
作家はずっとライブドローイングしているし、声をかけてみたらどうでしょう。
21日(土)まで。

銀座・スパンアートギャラリーでは佐伯俊男の画集「あかいはこ」発売記念作品展。
画集は初期のものを再構成した、これまた凝った作り(発行・ワイレア出版、発売・大洋図書)。
展示されているのはその初期の原画ばかりかと思いきや、
よく見ると左側の壁の作品は、そっくりに新たに描いたものらしい。
その上に飾られた印刷されたものと見比べると微妙に違っていたりする。
ちょっと驚き。
28日(土)まで。

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