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2007.10.27

ザ・ストリップ

ごくごくフツー?のサラリーマンに「幻想少女」というタイトルを言ったら
それだけでえらく警戒されてしまった。
別にそんな怪しいものじゃないですよ、と言ったものの
中高生に見せられる本なの?と聞かれ、
ああそういえばチ○チ○直立していたり股間からしぶきが放たれていたりする
ヴィジュアルがあれこれあったのを思い出して
私が悪うございましたと素直に土下座……。
久々肩身の狭い思いをしたような。

親に見つかったらどうしよう……とかいう読者ハガキを昔、
中学生からもらったのを思い出しました。

まぁ、よござんす。

なぜか週刊実話50周年企画「ザ・ストリップ〜華麗なる裸の文化史」(DVD付きの本)
の完成披露試写会のリリースが届いたので覗いてきました。
平日の昼間から、書店の方たちとかでしょうか、背広着たおっさんたちが集まって
ストリップのDVD観賞。
踊り子さんの実演や(さすがにヌードにはならなかったが)
酒や料理が出てまんじゅうのお土産も付くという豪華な試写会。
だけど場所がUPLINK FACTORYなのでビミョーな豪華さなんですが(笑)。

DVDの内容は、わりと真っ当なドキュメンタリー。
少しだけストリップの歴史をおさらいしつつ、
いまの踊り子さんが何人か登場してステージとその素顔を見せるという。
なかなか明るく健全な感じの切り取り方でした。
でもまぁ、ステージでの実演はやっぱり客がいないとなぁというのはあるし
花電車が取りあげられていたのはなかなかですが、
局部見せないであのスゴさは伝わらないでしょう、というのもある。

そのあとヴァニラ画廊に行って
ブルース・ラ・ブルースの初期の8ミリ作品を見たんですが(もちろん無修正)
やっぱり隠さずに赤裸々にするがゆえに表現できるものはある、
とあらためて思ったりした。

自粛はいかん。想像力を奪うばかりだ。

なのでこれからも肩身狭い道を行くでしょう。

いやもちろん、出せばいいというもんではないですがね。

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2007.10.23

TH 新刊発売、とか

H32_big

なかなかダウナーでメランコリックなときにムンクとか見ると……吸われる吸われる。
いけません。脱け殻と化してしまいます。

ムンクの根底には弱者に対する慈悲深い視線があって
それはシンパシーを生むのだけれど
そこに引き込まれていって救いがあるかというと……うーん、むしろますます現実から逃避したくなるかも。
現実の痛々しさが過剰に溢れ出た世界だから。ムンクのは。

なので、労働者を描いたりといったプロレタリアートな絵もあったりして
そういうのが飾られた工場の食堂とかあるのだが
労働者達はそうした空間で果たして英気を得ることができるんだろうかと思ってしまう。

まぁ、どうでもいいのだが。

ムンク展は国立西洋美術館で1/6までですね。
http://www.nmwa.go.jp/jp/

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で、THの新刊です。
そろそろ店頭に並び始めるかと思います。

No.32「幻想少女〜わ・た・しの国のアリス」

今回はお気に入りの作家の作品をぼんぼんぼんと並べることができて自己満足。
画家、写真家、人形作家……
どれも少女に対しての幻想・妄想を爆発させています。
ぜひご覧下さい!!

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トーキングヘッズ叢書(TH Series) No.32
「幻想少女〜わ・た・しの国のアリス」
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A5判192頁・定価1500円(税込)ISBN 978-4-88375-087-0
発行=アトリエサード/発売=書苑新社(しょえんしんしゃ)
10/24ごろ店頭に!

[主な取扱店][通信販売][通信販売(携帯用)]


あなたの心の中には、どんな“アリス”が棲んでいますか?
“少女”にさまざまな幻想を込める作家たちを特集!

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■主な内容
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天野可淡……切なげな少女の内面の闇
秋山まほこ……少女のアンビヴァレンスな思い
富崎NORI……無垢に生まれた人形たちへの愛情●沙月樹京
村田兼一……淫靡な芳香を噴霧する「姫」たち●相馬俊樹
上田風子……奇妙な遊戯が誘う少女の欲望の迷宮●相馬俊樹
西牧徹……アモラルな少女たちのユートピア●沙月樹京
朝倉景龍……傷は少女の存在証明●沙月樹京
(以上、図版多数掲載)
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表紙&巻頭/写真:堀江ケニー、モデル:Sachi(黒色すみれ)
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SPECIAL RECOMMENDATION—幻想少女編—
  「残酷な姫君の宴」展
     ……姫を目覚めさせることができるのは、だ〜れ?
  「キャロル考現学〜またはアリスをめぐる幻想展〜」
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Phantom Flower●槻城ゆう子
HOW CUTE!? 歌姫 戸川純●林アサコ
摩訶不思議な少女の花園 ポペイロ
元少年と少女のための逃走のススメ、ではない
  ——モンゴメリ、中勘助、大島弓子●虚青裕
バルテュスに萌えろ
  〈超時空少女〉は綾波レイの夢を見るか?●鷲沢弘志
猫と卵——レオノール・フィニーの少女幻想●志賀信夫
Review
  森川久美「青色廃園」●虚青裕
  澁澤龍彦「少女コレクション序説」●朝宮運河
  PEACH-PIT「ローゼンメイデン」●本橋牛乳
  ヤン・シュヴァンクマイエル「ALICE」●河野悦子
    ほか
少女かく語りき
  辛酸なめ子・真珠子・若人あきこ・黒色すみれ

  ●インタビューbyあや野
コーティーとテルー、あるいは
  ティプトリーとル=グウィンにおける老いと少女
●本橋牛乳
少女の幻想と幻想の少女——大島弓子論のために●志賀信夫
イ・ケ・ナ・イ カートゥーンガールズ●林アサコ
萌えな幻想少女ナウ
  ——アイドルマスター、初音ミク 他●徳岡正肇
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SPECIAL RECOMMENDATION
  「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」
     ……バレエ・リュスはいまも生き続ける!
  渋谷にポスターハリスギャラリーがオープン
  古川沙織展「薔薇とネクタール」
     ……死を夢想する少女の花園
  「パンズ・ラビリンス」
     ……ファシストと迷宮の住人、怪物はいったいどっちだ?
  「ベティ・ペイジ」……悦びに充ちた五〇年代のイコン!
  田中欣一「SEX CINE-MATRIX」
     ……ピンク映画全盛期の熱気ムンムン!
  ブルース・ラ・ブルース「ラズベリー・ライヒ」&写真展
     ……性の革命をなし遂げよ!
  120Days
     ……退屈な白夜に踊る蒼白いサウンド●サエキけんぞう
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TH Recommendation
  サディスティックサーカス2007、「13/ザメッティ」、
  「イルミナティ」、ダンス白州、黄金町再興ほか
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(上・左より)堀江ケニー(モデル:Sachi)、富崎NORI、村田兼一、上田風子、西牧徹、朝倉景龍

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2007.10.15

六本木クロッシング@森美術館

六本木クロッシング@森美術館
3年前に引き続いての企画。
前回は、日本のさまざまなジャンル&タイプの作家たちが、ある意味ゴッチャに展示され楽しさがある展覧会だったが、今回はそのエントロピーは少し下がったか。
いやそれよりも、「外部に浸食していく要素を持つアーティストに着目した」というが、いまさら、できやよいや四谷シモンではなかろう、という気が。
いやそれは、作家が旬でないということではなく、「六本木」なんだから、評価の定まらないよくわからないものを観る者に問うような、そんな視点がもっとあってもいいのでは、と思った次第。
「外部に浸食していく」とは言っても、まだまだ重心は美術界の内側にあって、そこからこぼれ落ちてしまうほどの無謀な勢いのある作家がいない。
あと、「外部」といってもコマーシャルな領域とクロッシングしているものが多く、これも個人的には興を削ぐ。
ほんとはその逆に向かって欲しいんだけどなぁ。
だけれども基本的にはこういう展覧会は好きなので支持します。
面白く感じた作品ももちろんあって、とりわけ、新聞紙面を鉛筆でそのままそっくりに描いた(活字の形はもちろん、写真も網点だ!)吉村芳生の作品に衝撃。
六本木の森美術館にて、1月14日まで。

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