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2008.02.16

甲秀樹、安楽寺えみ

いずれも今日より個展開催。

甲秀樹は、少々いつもより幼く無垢な感じの
少年の肖像画を眺めながら進んで行くと、
奥には黒い布で仕切られた場所が…。

その布をくぐると…きゃー!
そこにいるのは両性具有の人形!

しかもなんとも緻密に作られた股間(つまりぺ○○とヴ○○○)を、
これ見よがしに晒しているのである。

しかも……もしかして上着に隠れて見えないかもしれないが……
ほんのり膨らんだ胸が、またとても萌えさせる……!

その人形の正面に置かれているのが、
少年人形2体を絡ませたうえに、ボックスで部屋まで作り上げた大作。

しかもその部屋には、
先程の両性具有人形を描いた油絵がかかっている…!

人形2体に絵までセットになった贅沢な作品なのであった。

2/27まで、渋谷・ポスターハリスギャラリー。
http://posterharis.com/gallery/

*****

安楽寺えみは……言葉ではうまく言えないが、
ヤバさを感じさせる写真群。

杖や球体(口枷だったりするが)などを絡ませた女体だが、
なんだかヤバいのである。

表現が危険、という意味ではなく、
心の中にグサリと入ってくるというか、
危うい挑発を感じてしまうというか……。

たぶんそこにあるのは、よくあるSMとかフェティッシュとは違う、
というか、そういうのを超越した地平から出現してきた
濃厚なフェティッシュであり
それに眩惑させられてしまうがゆえに
ヤバさを感じてしまうのだろうか……。

カメラと被写体の距離感がまた、フェティッシュなんだなぁ。

3/30まで、表参道・RAT HOLEギャラリー。
http://www.ratholegallery.com/exhibition.html

*****

駆け足で両者を観た後、
堀江ケニー氏に会って新作写真などを見せてもらう。

安楽寺のがこちらに迫ってくる迫力なら、
ケニー氏のはやはり、吸い込まれていきそうな引力。

静謐な雰囲気にトリップさせられるのだな。

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2008.02.11

マキメの否ダンス-悦ダンス

久々に見たダンス。だが久々に面白いものを見せてもらった気が。
万城目純のソロダンス「solos」。

小さなスペースにピアノ一台と椅子ひとつ。
しかしそれらとダンスはほとんど関係なくて、セットは何もないに等しい。
何もない空間を、最初は力なく、円を描くようにトボトボ歩き続ける。

そこにやがて身振り手振りが加わってくるが、それはとてもじゃないが美しいダンスからはほど遠い。
そう、このダンスは、ダンスというものを徹底的に着崩したアンチダンス…というか、ダンスを喪失したダンサーの醜悪というものを前面に押し出したダンスなのだ。

顔を歪ませたりにやついたりハァハァ息をあがらせたりと、ダンサーとしてあるまじきことも客に見せつける。
てゆーか、セットはないに等しいと書いたが、大切なセットがひとつあった。
舞台の正面に据えられた一台のビデオカメラだ。

万城目はときにカメラ目線を送り、ときにカメラに向かってポーズをする。
フリルの付いた衣装とともに、自惚れを表象するその仕掛けが、ダンスをますます醜悪なものにする。

だがしかし、だからといってこの作品自体が醜悪なわけではない。
醜悪でありながら、それでも必死に身体を動かし続けるダンサーの姿の背後に、身体を動かすことの悦びが立ち上がってくるのだ。

拍手。

2/9、雪の四ッ谷「コア石響」にて

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2008.02.06

ネオ・ゴシック・ヴィジョン好評発売中!!

TH No.33「ネオ・ゴシック・ヴィジョン」好評発売中です。
おかげさまでご好評をいただいているようです!

今回は原稿があふれ、
前号より増ページしたうえに
そのうえ自社広告のページやトビラ等々まで削ったという
満杯状態です。

TH No.17「ゴシック・テイスト」を発売したときよりも
ゴシックに対する言説もいろいろ出てきて、
世間の認知度もだいぶあがったように思います。
しかしその逆に拡散しつつあるのも確か。

なので、いまこのタイミングでこそ!……というのが今回の特集です。
ゴシック・ロマンスからゴシック・ロリータ、
そして日本ではまだ知られざるゴシック的なアンダーグラウンド・アートまで
さまざまな角度から俯瞰してみました。

ご興味ある方はぜひご覧下さい!
(あまり多くの書店に置いてませんので、取扱店をいただければと思います)


===================
トーキングヘッズ叢書(TH Series) No.33
「ネオ・ゴシック・ヴィジョン」
===================

A5判208頁・定価1500円(税込)ISBN 978-4-88375-088-7
発行=アトリエサード/発売=書苑新社(しょえんしんしゃ)

[主な取扱店][通信販売][通信販売(携帯用)]
[Amazonで買う][Amazonで購入(携帯用)]


「ゴシック・テイスト」発売から6年、
ゴシックは浸透が進んだと同時に、拡散しつつある。

しかし昨年も高原英理「ゴシックスピリット」や
樋口ヒロユキ「死想の血統」が発売されるなど、
まだまだ論じ尽くされていないようだ。

というか、いまだからこそ、潮流を俯瞰しながら
その先のヴィジョンを探ることができるにちがいない。

「ゴシック・テイスト」を踏まえつつ
別の角度からゴシックに踏み込んだ特集!

ゴシック精神で生き延びよ!

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■主な内容
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ダーク・ヴィジョンの饗宴
  ——悪夢と狂気に彩られたアンダーグラウンド・アートの現在
   ジョン・サンテリネロス、ギィ・ルメール、ステイシー・ランド、
   チャド・マイケル・ワード、ジェフリー・スコット、
   カルロス・バッツ、エリザベス・マグラス
  ●相馬俊樹
座談会/ゴシック・ロリータ・ニッポン
  ●小谷真理×高原英理×樋口ヒロユキ
ファンタスティックな人間関係から生まれた
ファンタスティックな服装

  ——ゴシック・ロリータという美学
   ゴシック・ロリータ誕生の背景
   ゴシックとロリータの狭間/club Cemetery 千尋インタビュー
   ゴシック・ロリータの種類とブランド解説
   海外の目から見たゴスとロリータ
     /Tokyo Decadance アドリアン インタビュー
   ゴシック・ロリータと闇への憧れ
  ●西川祥子
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Rebirth From Underground
  ●写真:堀江ケニー/モデル:森馨・沙雪
  撮影後記・人形の白日夢●相馬俊樹
〈異色の舞台ダークメルヒェンショウを展開するユニット〉
Rose de Reficul et Guiggles
  ——絢爛で頽廃的なヴィクトリアン・アンダーグラウンド!
  ●沙月樹京
〈身体改造パフォーマー〉
BONZINインタビュー
  ——日本発の新しいゴシックの定義で、世界を絶対ひっくり返す!
  ●インタビュー・構成=樋口ヒロユキ
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PREFACE ゴシックで生き延びよ●沙月樹京
GLGVIM COSMOS●槻城ゆう子
「GOTH—ゴス—展」
  ——現代のメメント・モリ●樋口ヒロユキ
「OTTO」——公開待たれるゴスなゾンビの
  アヴァンギャルド・ゲイ・フィルム!
少女主義的水彩画家・たま
  ——愛らしくも、闇をまとった少女たち
絵金と残酷絵——日本のゴシック●志賀信夫
『ゴシック』は、孤独な変人のように、冗談めかした悪夢に戯れる。
  ——ケン・ラッセル映画におけるゴシックな
    人々・画々についての一考察●加納星也
ゴシックを識るための本●柳喜悦
ラヴクラフトに寄せるノスタルジア
  ——「旧支配者」への憧憬●鷲沢弘志
ドラキュラの灰
  ——ジョージ・A・ロメロとゴシック映画●朝宮運河
怪奇映画は乙女と共に
  ——「闇のバイブル 聖少女の詩」他●林アサコ
イタリア映画におけるゴシック的アプローチ●柳喜悦
宇月原晴明とゴシック世界帝国●虚青裕
ゴシック絵本の世界●本多由佳
六ヶ所村の思考——宮内勝典と坂本龍一の間で●本橋牛乳
Review
  山尾悠子「夢の棲む街」●林アサコ
  中井英夫「人外境通信」●あや野
  パトリック・マグラア「失われた探検家」●朝宮運河
  ウィリアム・ゴドウィン「ケイレブ・ウィリアムズ」●市川純
  牧野修「MOUSE」●朝宮運河
  桜庭一樹「GOSICK」●市川純
  Richard Prince「Nurse Paintings」●虚青裕 ほか
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乖離感覚の生む迷宮
  ——引き算から生まれた七里圭の美学
   「眠り姫」 「ホッテントットエプロン-スケッチ」 「マリッジリング」
  ●沙月樹京
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SPECIAL RECOMMENDATION
  「オルフェーオ」
     ……能の様式を取り入れたバロックオペラ!●虚青裕
  「甲秀樹展」……少年人形の棲む小宇宙
  「松井冬子画集」……視痛覚のバロック
  「小山哲生展」「山口椿展」「沙村広明原画展」
     ……醜と美に耽る
  「林アサコ絵画展★艶やかなメルヘン」
     ……奇想てんこ盛りの異形者たちの狂宴
  「あや野のだんだら個展」……ゾンビ少女の快楽の園
  「ピエール・モリニエ画集」……禁じられた扉を開く●志賀信夫
  「吉本直紀監督・吸血」
     ……舞踏と吸血鬼の遭遇●志賀信夫
  「レンブラントの夜警」
     ……グリーナウェイ流の理知的な謎解きゲーム
  「古川沙織展」「朧の森に棲む鬼」「フローズン・タイム」
  「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」「すみれ人形」
TH coming art showcase/西牧徹
TH Recommendation
  「鳳鳴—中国の記憶」、小松和彦、劇団夜行館ほか
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