2005.07.15

かがみのとびら by ひびきみか

kagami_shoei_RGB_obisアトリエサードからB6変型サイズのかわいい単行本が発売になりました。

プロ競技ダンス元全日本ラテンチャンピオンであり、
競技選手引退後も独自の舞踊表現を追求し続けている著者が
豊かな感性で綴ってきた瑞々しいエッセイと詩を、
豊富な写真とともに収録した待望の本です!

ダンサーだからといって見くびってはいけません。
その言葉は、ユーモアがあったり痛々しかったり、非常に繊細で心に響いてくるものがあると思います。
ぜひ、詩が好きな人もダンスが好きな人も、お手にとってみてください。
カヴァー絵はなんと、J・A・シーザーです。

詳しくはこちらをどうぞ。

※ごく一部の書店にしか出回っていません。
通販のほか、[BK1][Amazon]もご利用ください。

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2005.06.07

エレニの旅 by アンゲロプロス

ストーリーとかはこちらを見ていただくとして、
これはいい映画である。
いい映画であるが、ん〜〜、アンゲロプロスのマジックには目が肥えてしまっているのだろうか、このカメラワークだとここから人が登場して、とか、あっちの方に何かが見えてきて、だとか、そんなレトリックが透けて見えてしまって、いまいち興に乗れなかった部分がある。
個人的には、あと、終わり方にもうひとつアンゲロプロス的マジックが欲しかったなぁ。
祝祭空間にふたたび悲しみを投げ込むとか、シュールリアルな超常的なシーンを加えるとか。
涙だけじゃふつうのメロドラマじゃん。

とはいってもアンゲロプロスは、その名で私を映画館に足を運ばせる唯一の監督ではある。
ちなみにアンゲロプロスもつくづくA感覚だなぁと思った。
(くわしくは次号参照)
タルコフスキーもそうだし。
まぁ、そういうのが好きだということね、私は。

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2005.04.17

白い果実

白い果実

山尾悠子が訳文を整えたというジェフリー・フォードの長編幻想小説。
錬金術的な世界律が支配するアナザーワールド。そこでは観相学という、人の外見で性格などを見分ける学問が確立され、事件の犯人を割り出すのにもその観相学が用いられる。
そのスペシャリストである観相官が、ある事件を解決する話だが、筋はどんどん逸れ、学問という理知的な領域がマジカルな力に浸食されていく。
条理があるとは思えない観相学で人を裁いていく様子は、男根的な横暴さを感じさせ、その学問の忘却はまさに去勢を彷彿とさせるが、それはひとつの見方に過ぎないだろう。
迷宮の底に滑り落ちていくような目眩を伴う佳品である。

「白い果実」ジェフリー・フォード(国書刊行会)税込2625円[amazon] [BK1]

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2004.12.01

自伝の小説by李昂

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10月に出た李昂の「自伝の小説」をようやく読了。
もともと本を読むのが遅いからだが、でもつまんないとか難しいとかで時間がかかったのではなく、最後の4分の1くらいはほとんど1日で読んだ。

これは、面白い。
「自伝」と「小説」という矛盾する言葉が同居し、しかも原題からして日本語の「の」が使われているというタイトルの仕掛け(原題は「自傳の小説」)からしてタダゴトではない内容を予感させるのは、No.20「中華モード」で上野千鶴子氏が指摘したとおり。
謝雪紅という実在の台湾の革命家の伝記と、その物語を伯父から伝え聞く「わたし」という語り手の立場・状況がシンクロし、また、台湾・日本・中国・ソ連を渡り歩く謝雪紅の足取りのために、物語は時空を超えて多層的に交錯する(ということも「中華モード」で藤井省三氏が言及しているとおり)

だがこの小説は、頭が混乱してくるような小難しい小説ではない。
その複雑な構造を、寓話的なユーモアで、さらりと読ませてしまう。
そう、これはいわば、ワイドショーだ。
政治の物語を「性」治の物語に置き換え、ワイドショーを見るような、下劣で、だけどおそらく根源的な好奇心を刺激する。
セックスや月経などの執拗な性的描写(だけどポルノとはちがう)や語り伝えられる伝説の数々など、生理的な欲求・恐怖に根ざしたもので物語は彩られ、人間は結局のところ、そうした動物的エネルギーに動かされているものであることが強調される。
それを私小説的な小さな世界で語るのではなく、かつての台湾最大の左翼党派のリーダーを主役にすることによって、スケールの大きな物語に仕立て上げる。
そこが李昂の妙味だろう。

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2004.10.13

李昂×上野千鶴子(『自伝の小説』発売!)

李昂の『自伝の小説』(国書刊行会)が発売になりました。藤井省三氏の訳者解説では、No.20「中華モード」に掲載しました上野千鶴子氏の李昂論が引用・紹介されています(No.20「中華モード」では、藤井省三氏のインタビューや、李昂文学をめぐる国際シンポジウムのレポートも掲載されています)。
また、この発売に合わせて、李昂氏と上野千鶴子氏とのトークショーが三省堂書店本店でおこなわれます(10/19[火])。

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